「えっと…うん。久しぶり」
本当はそれほど久しぶりじゃないけどそれ以上の気の利いた言葉が思い浮かばなかった
「写真部だっけ?」
「ううん。見学しにきたの」
「そっか」
大して興味なさそうにそう言うと柳井は鞄の中から古いカメラを取り出して念入りに手入れをし始める
真剣な顔
真っ直ぐカメラだけに集中する柳井は本当に写真が好きなんだと直感した
「凄いでしょ？麻山は態度悪い奴が一番嫌いなのになんで入部させたんだろうって思ったんだけど…麻山が写真部に入れた理由がこれを見て分かったのよ」
瑞希先輩は私を見てから麻山先輩を盗み見てｸｽﾘと笑う
麻山先輩は丁度清水先輩を体から引き剥がしたところだった
「そうなんだ…」
どこか雰囲気の違う柳井にほんの少し心のざわめきを感じた
