しばらく兄弟喧嘩のような2人の会話をクスクス笑いながら見ていたら
「私の存在忘れてない?」
「ひぁっ!?」
恨めしそうな声で私の耳元に囁やかれて思わず背中がゾクリとした
恐る恐る振り返れば案の定宮沢先輩で
「正直忘れてたデショ…ねぇ菜月ちゃん?」
テンションがた落ちの宮沢先輩は先をクルンと巻いた綺麗な茶髪をいじりながらボソボソと小さな声で呟く
「え!?いや…そんなことはι」
すっかり忘れてた…なんて口が裂けてもいえないι
「ふ~ん」
私の思っている言葉を悟ったのか、目を閉じて深い溜め息を一つついた
そして
「酷いな~私なんかいなくても良いんだ~」
一本調子でどこか遠くを見ている先輩を見て慌てて
「そんなこと無いですよ!!」
「どーしてそんな事言えるの?」
「それは…」