…パシャッ…パシャッ


「最近いいね、ミア」

「そうですか?ありがとうございます」

今は次に出すアルバムの表紙撮り。
この仕事が終われば、また明日からウルサい学校生活が待っているのだが…。

行きたくない反面、心待ちにしてる自分もいる。

「…なんだよ、それ」

自称気味に笑いながら独り言を呟き、カメラに集中した。



●〇●〇


「明日から学校ね。夏休みはキチンと働いてもらったから、明日から一週間は休みにしてあげる」

「いいんですか?」

「いいの。学校楽しんでね」

「別に。学校は楽しむ所じゃないでしょ」

そりゃそーね。と笑いながら荒井さんは運転し始めた。


窓から流れゆくネオンを見つめながら考えにふけっていた。

…ただ憂鬱なだけの学校を何故私が心待ちにしているの?

真奈美との友情が深まったから?
真奈美に会いたいから?

…橘に?橘に、何なの?

なんで私は橘をこんなに気にしてるの?
橘はウザイ奴なのに。

…きっと、あんな顔の橘を見たのがいけなかったんだ。
だから気になってんの!!と自己完結したところで自宅に着いたみたいだった。