「…ふぅ」

大してそんなに買わなかった荷物を床に投げ置き、ドカッとソファーに沈む。

そして思い出す…真奈美のあの優しい言葉と、橘を…。

そぅ…。
解らないのだ。

説明しようにも言葉が見つからない。

何か…心にポッカリ穴が開いているみたいだ。

どこかにその一部を置き去りにしてしまったのかもしれない。

それが記憶というのなら、私にはどうでもよかったものだったのだろう。

だが、最近になって胸がざわつくようになってきた。


まるで、心が穴を埋めろと…思い出せと悲鳴をあげるかのごとく…。


そこまで考えにふけっていたら、急に携帯が鳴りだした。