―…うるさい。
少しは静かに出来んのか。
そんなことを思っていると、

「あはは!陽菜、顔に出てる!!」

何が、なんて聞かなくても分かった。

「…うるさい」

女子の黄色い声援は止むことはなく、ますます大きくなるばかりだ。

…しかし、優斗って名前…。
どっかで聞いた…。
けど、忘れたからどうでもいい。

どうでもいいついでに寝る。
転校生に興味はみじんも無いから。
朝から走って学校に来たし。
この前の病院での仕事も、精神、肉体的にも疲れたし。

「…橘の席は、宮下の後ろで良いだろう!」

…何で??
別に後ろじゃなくてもいっぱい席はあるだろ!?

寝ていたら聞こえた先生の言葉。

「陽菜!!転校生君、こっちに来るよ!!」

「…関係ない。寝る」

「もぉ!!陽菜ったら…」

そんなことよりも眠いので、とりあえず深い眠りにつこう…。