小野君はあたしを彼女だと言ってくれた。 あたしはずっとその言葉を望んでいたのかもしれない。 小野君の口からその言葉を聞いた途端、ホッとして胸に熱いものが込み上げてきた。 「小野君……あたし泣きそうです」 「お前、本当に意味分かんねぇ奴だな」 「もうこの際……意味分からない奴でもいいよ。だって、それくらい嬉しいんだもん!」 嬉し泣きするなんて、小学校のマラソン大会でビリじゃなかった日以来だ。