「さっき、俺にとってお前がどんな存在かって聞いたよな?」


「え……?うん。聞いたけど……」


「こっち向け」


赤い顔を悟られないように小野君から目を反らすと、クイッと顎を掴まれて正面を向かされた。


数センチしかない距離に心臓が激しく暴れ出す。


「お前は俺の女だろ。それ以外に何があるんだよ」


「……本当に?あたし、小野君の名ばかりの彼女じゃない?」


「何だよそれ。お前は何も分かってないんだな」


「あたし、小野君の彼女?」


小野君の言葉に思わず目頭が熱くなる。


もう一度、念押しするようにそう聞き返すと小野君は大きく頷いた。


「お前は俺だけの女だ」


『だけ』って部分を強調した小野君。