「バカ、ボケッとしてんな」
すると突然、小野君がグイッと勢いよくあたしの手を引っ張った。
その拍子に小野君の肩に思いっきり頭をぶつける。
「いたた……っ……」
それと同時に後ろから来た自転車に乗ったおじさんがこっちを睨みつけて、わざと聞こえるようにチッと舌打ちした。
小野君のことをぼんやりと考えていたから、またフラフラしてしまったらしい。
「ご、ごめん!」
謝りながら慌てて顔を上げた時、小野君とバチッと視線が絡み合った。
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