キキキキキキキー!
ブレーキに油差しておけば良かったと思う、今日この頃。
この後はお約束、どんがらがっしゃんとコケました。
「いてててて…」
あたしは立ち上がる。
肘の所がちょっとすりむけて、血がにじんでる位だ。
うーん、駐車場、誰もいなくて良かった。
そう安心しながら何だかヨレヨレになった気のする自転車を止めると、あたしは目的だったコンビニへと入ってく。
ピコピコーンって音と共にコピー機の横を抜けてお菓子の棚へ。
あ、新発売のお菓子みっけ。
それともう1つ、ポッキーとあとはペットボトルの棚からサイダーを取ってレジへ。
サイダーというか、炭酸好きなんだよなぁ。
その途中でカバンの中でケータイがブブブと鳴ったから、レジの人を良く見ないままカウンターに商品を置いて。
カバンから取り出したケータイを開く。
(あ、真由ちゃんからのメール)
『593円になります』
男の子の声。
同い年位かな?
指輪なんかはまってる、ゴツい手。
今度は財布片手に顔を上げて確認する。
がぁああん。
あたしは前を見てショックを受ける。
(さ、さいとう、君…)
学年一の不良と呼ばれる斎藤君が、レジに立ってた。
えええ、何で!
ショックの余り頭と身体が硬直する。
金色の髪、鋭い瞳。
短い眉毛が顔の怖さを強調してる感じ。
耳にはピアスいっぱいだし。
アクセサリーもいっぱいだし。
威圧感いっぱいで、怖いよう。
指先までガタガタ震えてる気分で、どうにか会計を済ませて。
会計が済んで、あとは店を出るだけとなった所で。
「渡辺さん、ちょっと待って」
いきなり斎藤君はそう言ったかと思うとレジを抜けてすぐ目の前の商品棚に向かって。
バンドエイドの箱を1つ掴んであたしに差し出した。
「ケガ、してっから使って」
(え)
あたしはポカン、として手の中を見つめる。
よくある、市販のバンドエイド。
あたしの肘の傷。
瞬き一回。
「…え!え、あの、でも…」
一拍置いてからあたしはようやく現状飲み込んで慌てる。
(どもってるだけで言葉になっちゃいないけど)