そして、私は。


その日のランチタイムになると、誘われるがままにカズくんと廊下を並んで歩いていた。


背が高い彼。


やっぱりカッコよく感じる。


背が高いひとと一緒にいると、頼もしく感じる。


なんだか、守られている、感じ。


「おう、ララ」


私の姿を見ては、妙に明るい表情になって近づいてきたのは、ナカヤマ先生だった。


「よかった。友だちできたか」


隣に立っているカズくんを見、そう言った。


「あ、はい。席が近かったので……。小郡くんと、佐取くんとも、仲良くなりました」


「よかったよかった」


にっこりと笑い、片手を挙げてナカヤマ先生は通り過ぎて行った。


「ナカヤマなんだろ? 昨日、保健室でラーメン食わせてくれたの」


昨日、ひとりで、廊下でお弁当をこぼしてしまったいきさつを、私はカズくんと芳くん話したんだっけ。

「うん」


「いい先生だよな」


「うん」


“友だち、絶対できるよ。“安心しな”のナカヤマ先生の言葉、現実となった。

私とカズくんは顔を見合わせて微笑み合った。