英語の授業がようやく終わると、小柄な彼はすっきりとした顔で私に話しかけてきてくれた。


「ありがとう。助かったー」


晴れやかな笑顔を私に向けてくれる。


「昨日の膝の傷の手当てにしろ……まるで歩く保健室だな」


と、長身の子も笑顔で言ってきた。


「あははは。保健室なら、さっき行ってきたんだ」


そう言って、脚を見せた。


治りかけなのに、またコケちゃった。


「ケガ多いなぁ」


と、長身スリムの子。


「うん。それに、保健室でラーメン食べてきた」


なんだか、話しやすい雰囲気……そう思った私は、自ずと言葉がつい出ていた。

「ラーメンか。なんでまたそんな場所で……」


私は、お弁当をダメにしてしまったいきさつを話した。


「もったいねーな。母ちゃんの弁当」


机に座り、逆に椅子に足をついて私に向いている小柄の子が言う。


長身の子は、椅子に座ったまま、体だけをこちらに寄こして、背もたれに肘をかけて頷いた。


あれ、私、クラスメイトと会話してるじゃん。