自ら足を踏み出させたのは、期限が来ないかぎり出れることはない番人が待つ扉の向こう側














《ーーーーーー!!!!!!!》





「・・・・ッ・・・・・」






 耳を塞ぎたくなる悲痛の声が、閉まった扉から聞こえた






“おヤおヤ?
こノ奥の音が聞こエルのは、罰セなくてハなラなイ者ダけダ。
彼女ノ声がお前二聞こエるノか?
そウなラバ、お前も扉ヲ潜らなけレばナぁ ”






 楽しそうな声と闇がマトヤまで伸びてくる




 あと少しのところで闇が止まる






「………?」


“・・・・・小娘のおかゲダな。
こノ扉ノ奥に行きタクないナラ、早ク去れ”



「…あぁ、そうさせてもらう。」





 背を向けて歩きだせば、比例するように闇が反対側に離れて行く







“さァ、隠シ事はイツまデ続くカナ?
せイゼい気ヲ付けルことダ”





 角を曲がれば闇からの忠告が背中に投げつけられる





 振り向いても闇は見えず、白が見えるだけの壁に応える








「(━━━ー・・・余計なお世話だ)」