彼らとて、むざむざ滅びたくはなかった。


だとすれば残された道は、この星の住民として帰化するしかない。 


そんな中で進められた、地球人との異種間交配。


遺伝子的に見てかなり近い種族であるこの原住民との異種間交配で、どういう訳か、原因不明の『突然変異体』の誕生が続発した。


極端に凶暴性が増した変異体、原住民が言うところの『鬼』の姿を持った個体がかなりの確率で生まれたのである。


それは血が濃いほど、つまり彼らの血が多く含まれる個体ほど、顕著に現れた。


彼らの遺伝子が、精神的発達が未熟な種族である人間の凶暴性を活性化する。


その原因はついに、彼らの進んだ科学力を持ってしても、解明することができなかった。


やがて、彼らのうちでも、地球人に紛れ帰化する者と、あくまで彼らの血を残そうとする者とに分かれて行った。


前者は地球人の血に紛れ、たまにその血を濃く引いた者が、超能力者や霊能者としてその異能を発揮した。


そして後者は、船のある瀬戸内の海に浮かぶ小さな島の中で、ひっそりとその血を絶やすことなく生き続けてきた。


いつか、故郷の星に帰れることを夢に見て――。