「キリン……?俺……?」


「瞭くん?」


不思議そうに俺を見上げる。

腕組みをして、キリンとにらめっこ。


「勝つ。」


「何?」


「次、行くよ。」


キリンから目をはなさない。


「う、うん。」


ガキみたいにキリンをにらみつけ、背中を向けた。

絶対勝つ。











馬鹿みたいに楽しかった。

馬鹿みたいに笑った。

動物園のデートなんてガキみたいだけど、それが凄く楽しかった。

きっと彼女と出会わなかったら、こんなデートしてないだろう。

きっと、今頃俺の部屋でまったりDVDなんかみたりして、インドアデートに間違いない。

だって、見付かったら困る。