「お茶忘れるからだろ?」


「…………そうでした。」


舌をぺろっと出してミルクティを飲み干した。


「ミルクティ、美味しいですっ!」


「よろしい。」


ケラケラ笑って……。

その笑顔が大好きだから。

だから、赤信号でちょっとだけ不意打ちをくらわす。


「りょ……っ!」


真っ赤な君。


「顔、赤いよ?」


「………ばぁか。」


離したばかりの唇で、怒った振り。


「ご馳走様でした。顔、まだ赤いよ?」


赤信号が青に変わる。


「うちでさ、もっと赤くなることする?」


「しないっ!」


ぷいっと窓の外を向いた。

それでも、笑った君がサイドミラーに写ってるから。

だから、真っ直ぐに二人の幸せへむかって車を走らせる。