「三回目……と。」


交差点を右に曲がりながら、この風景を見た数を数える。

いい加減、飽きてきた。

でも、どうしようもない。

今、動物園に戻るわけには行かない。


『必ず迎えに行くから。』


自分の台詞を思い出して、早くも後悔。

いつになったら行けるのか?

当分行けそうにない……よな?

動物園の周りをぐるぐる車で回りながら、残してきた美羽の事を考えていた。

二人でいるときにバレたのは初めて。

彼女の目の前で起きたことではなかったのが唯一の救い。

でも、きっと不安になっていることは、簡単に想像が出来た。

完全に油断していた。

だって………幸せだったから。