溜め息ばかりが空に消えていった。

こんなことじゃ駄目だってよく分かっているのに……。

吐きだされた溜め息も、行き場を無くしてさまよっている気がする。

もう一度、大きく深呼吸。

私がひとりになった日。

空は泣いていた。

でも、今は違う。

こんなに青く、私を照らしている。


「行こう。」


そっと呟いた。

ずっと動かなかったライオンが、ちらっと私を見た。


「溜め息に付き合わせてごめんなさい。また来るよ。じゃあね。」


ライオンは、大きな欠伸をひとつして、また、眠り始めた。

さぁ、行かなきゃ。

動物園の出口へ向かって足を向ける。




大好きな貴方の元へ。