「塁くんもまだ中にいるよ。」


駐車場へ向かうグループと、園内を探し始めるグループ。


「どうしよっか?」


もう一度、フラミンゴをみつめながら、携帯を取り出した。


『美羽……どこ?』


「車、見付かったみたいだよ?早く出たほうが良いかも。みんなそっち行ってる。」


『え………美羽、ど』


「早く。私、大丈夫だから。じゃあね。」


彼の返事を待たずに切った携帯。

リュックのポケットにしっかりしまった。


「ひとりになっちゃった。」


心の中がゆらゆらと回り始める。


「大丈夫。」


呟いて、大きく深呼吸。


『迎えにくるから。待ってて。』


無理だよ。

多分、物理的に無理。

それくらい、私にだってわかる。