『私も大丈夫』


マークに向かって呟いた。


「瞭くん、ばれちゃったって。」


キョトンとして見ている。

リュックから出したハンカチ包みをまたリュックに戻した。


「はしゃぎすぎたかな。」


これって、ばちがあたった…とか言うのかな。


「またね、マーク。」


キツネって、こんこん、なんて簡単に鳴かないんだな。

っていうか……動物園の動物って意外と静かなんだね。

頑張ってるんだね。

さ、私も頑張って瞭くん目指そうかな。










歩いて行くと、多分瞭くんが言う、見付かった、女の子たちとすれちがった。

嬉しそうに握られたであろう手を見せあって。

一緒に居なくて良かったと心から思った。