「予定外……でもないか。」


呟いて隣をみたところで、誰か居るわけもなく……。


「浮かれてたかな。」


確かに浮かれてた。

だって、今日は久しぶりに美羽と休みが合って、前から約束してた動物園デートの日。

平日だし、多分、お客も少ないだろうと勝手に予想して来た郊外の動物園。

人混みが苦手な美羽と、見付かりたくない俺の意見がちょうどこの辺で落ち着いた。


「ディズニーじゃなくて良いの?俺は構わないよ?」


何度も確認したけれど、ここが良いんだと笑っていた。


楽しそうな親子連れを見付け、


「素敵だね。」


そう言って、ちょっとだけ寂しそうに笑っていた。