あれからは、

一度も咲雪には会っていない。



咲雪に好きな人がいたなら
俺の存在はきっと迷惑だったはずだし。


…いや、…違う。

違うんだ。


俺は、臆病者だから

傷つくことから…逃げている。

ただ、それだけ。


自分が傷つくことには、人一倍敏感で

そのくせ他人が傷つくのには
気づいてやれない。



…こんな自分が…嫌になる。