二人を見ていられなくなった俺は身を翻し ドアの取っ手を乱暴に掴んだ。 最後にふっと、一瞬振り返ったとき、 俺と同じように 男が咲雪の頭をぽんぽんと撫でていた。 しかし、ひとつ違うのは 俺の時のように 咲雪が手をふりはらうことはしないで…… 顔を真っ赤にして俯いて、いたこと…。 あぁ、…そっか。 そうなのか。 俺は気づいた。 咲雪の想いに。