「最悪っ」


涼子は誰もいない保健室にそういった。

保健室は薄汚い。
花瓶にいれられている花も汚く、枯れていた。


涼子はふと、窓の外へ目をやった。



桜が風に揺れて舞い散っていた。


「えっ!?」

涼子は一瞬目を疑った。
桜が赤色に見えたからだ。

目をこすってもう一度見た。

桜はピンク。

(疲れてるからかな..)


「あの~っ」

誰かが保健室に入ってきた。

「はいっ」

反射的に返事をしてしまった涼子。

「ごめんなさい..。気分、悪いんです。休ませてください。」


そう言った少女は顔が青白く、とても体調が悪そうだった。

(あれ..)
少女の着ている制服は涼子の着ているものと違っていた。

でも、校章が同じ。

って事は古い制服。