あたしは柚に話しかけた。
彼が覚えてくれている、
そう信じて。



『柚くん!!』



彼はびっくりする程
成長していた。
背は高く、
見上げなきゃならない程に。
体は大人の男の人へ向かって、
真っ直ぐに成長していたんだ。


「柚くん、
あたし、真桜だよ。
覚えてる?
小さい頃、よく遊んだよね?」


覚えていて欲しかった。