その視線の先には、特攻服。
濃紺で、背中には“闇の蝶”の意味が金色で縁取られた文字が見える。
「…あたし総長になりたくない。あんなの時代錯誤でしょう。」
口を開いたガキは、我が儘を言う。
ムカつく。
大体こいつ何様なんだよさっきから、蝶々って呼ばれてるけど。
「別に着なくても良い。兎に角、お前に継いで欲しい。」
榊さんは言う。
何をそこまでにこんなガキに“闇の蝶”を継がせたいのか。
分からなかった。
「てな訳で。皐月、暫く慣れるまでこいつの面倒みてやれよ。」
よろしくな、と向けられた笑顔。
俺が…ガキのお守り?