「28、ゲット♪」

上機嫌な土田さん。

「ありがとう…」

「あ?なにが?

「と、友達になってくれて。」

あたしは心から嬉しかった。

あたしの近くの席を望んでくれる人が1人でもいるだけでも涙が出そうなくらいだった。


「なに感極まってんの(笑)まだまだだよ。」

「なにが?」

「さぁー♪」

土田さんはニヤニヤしながらクジを引こうとしている神木くんたちを見ていた。


「お!やったー♪俺35だ!」
最初に喜んだのは優くんだった。

あたしの左斜め前。

土田さんの隣だった。

「うわ。高安の隣かよ。」

土田さんは嬉しそうじゃなかったけど。



クラスの女子の半分は近くになれなくてがっかりしていた。

交換、名乗り出てくれれば交換するのに…


なんて思ってたけど、今回は1人じゃないからそうもいかなかった。

土田さんはあたしの近くを選んでくれたんだから。