みんなが適当にクジを引いて行った。


「長谷川!」

「えっ?あ、はい?」

あたしを呼んだのは神木くんだった。

ま、このクラスで名字を知ってるのは土田さんと神木くんくらいなんだけどね。

「クジ、引いたら番号教えて。」

「う、うん…。なんで?」

「なんでも。」

なに考えてるんだろう…。

「わ、わかった。」

すると神木くんは目尻にシワを寄せて笑顔で
「ありがと」
と言って優くんたちの方へ走って行った。




さっきの笑顔は
名高さんのときの笑顔と違う…


あたしの知ってる笑顔だった。




人によって、違うのか?






なんて考えながら、クジを引きに行った。