聖弥くんの息が切れていて、体に息がかかり、ゾクッとした。
「ごっ…ごめんね…あたしなんかのために…」
とりあえず謝っておくと、聖弥くんが、
「夏雪、今度こんな目にあったら、すぐに俺に連絡しろ!」と言い、照れながらも連絡先を渡してくれた。
聖弥くんって、意外と可愛いとこあるじゃん。
カッコいくて、モテてるだけの聖弥くんだと思っていたが、聖弥くんの意外な一面を知ってしまった。

「聖弥くん……ごめん…」二回目のごめん。この
恩は、言葉で片付けられるようなものじゃないけど……あたしからの、精一杯の“ごめん“

「ごめんごめん言い過ぎ!俺は、そんな大したことしてないって!まぁ、夏雪の役にたったなら、嬉しいけど♪」と言って笑った。

笑顔可愛い…優しい……カッコイイ…あたしの頭の中では、それしかなかった。

あたし……聖弥くんのこと“好き“……。

どうにも止められないこの気持ち。。
溢れてしまいそうだけど。。

「もう、大丈夫!…本当に…ごめん。」あたしは、それを何度も繰り返していた。
聖弥くんを独り占めしてはいけないという気持ちから…………。

「聖弥くん!本当に大丈夫!あたしなんかと一緒にいたら、ファンの子にやかれちゃう。行ってあげなよ!ファンの子待ってるよ!」
悔しい気持ちを抑えて…泣きたい気持ちを抑えて……。

「で…でも……「「聖弥くんってみんなに優しいんでしょー?みんな平等なんだから!」」

泣き出してしまう。。。
聖弥くんに見られたいない。。
早く……行って……


今のあたしには……こんな言葉しかないから……。

「嫌だ……。絶対夏雪を送ってく…。」
「だめ…だめ……。イメージ壊れちゃう…」

「嫌だ……。嫌……一人の女の子を助けるのも……俺のやること……」
もう、あたしの目からは、次々と涙が流れていた。
なんで……?なんで行かないの……?