「愛実っ~!!」

「里奈…」

「カップル成立おめでとうさ~ん」

「あ~!里奈のせいだからね!もうアタシあの人やなんだって」

「何でぇー?優しいやん。」

「その優しさが怖いのアタシ…。」

「愛実ぃ……あの時の事はもう忘れなよっ。ねっ??」

「あの時って何??」
アタシはとぼけてみせた。

「あぁ…忘れたんならいいんよ。…でもね、光輝君と付き合える女の子って凄いねんで!」

「あー、あのルックスだからね…ファンクラブとかありそうな勢いよね」

「愛実…本当に分からんの?」

「何が??」

「光輝君…雑誌モデルやってるんやで。」

「…はぁ!?!?それ本気で言ってんの?」

「てか、嘘言ってどうすんのよ‥。」

「やだ。やっぱり断る…。」

「…2週間試してみたら?」

「何でアンタが知ってるわけ?」

「光輝君がね…相談してきたの。愛実の本当の笑顔がみたいって。」

「何それ…。ハハ‥。」

「里奈…今まで黙ってたけど里奈の力じゃ愛実の昔の笑顔取り戻せないよ。愛実いつも…無理してるよね?」

「っ…してないよ。里奈と光輝の目がおかしいんじゃないの?」
アタシは焦った。
アタシが気付かないうちに他人にアタシの心を悟られていた事を…。
だからアタシは一生懸命な笑顔で笑ってみせた。

「愛実…。」

「さぁー遅刻しちゃうよ!早く行こう」

「うん…。そだね。」