落ちた料理は見事にあたしの服のうえにぽとっと落ちた。

おかげで服は汚れてしまった。


「…って何馬鹿な事言ってるのよ。服汚れちゃったじゃないの!まったく冗談もほどほどにしてよねっ!!」

苗果はぷんすか怒りながら服の上に落ちた料理をティッシュで拭き取った。


「嘘じゃないんだよ苗果、かあさんと2人でな海外に行く事に決めてるんだ。」


…ぴたっ…苗果の動きが止まった。


「…えっ?冗談じゃないの?」


半信半疑のあたしにお母さんが、


「冗談じゃないわ。苗果には悪いけどお父さんと行ってくるのよ~」


そう笑顔で言うお母さんにあたしは真顔になった。


「うっウソっ!!ってか…えぇっ!?旅行かなんか!?」


お父さんとお母さんはお互いに肩を寄せ合いお父さんがお母さんの肩を抱き寄せて2人してあたしを見た。

「違うんだ旅行には変わりないかもしれないけど…まぁいつ帰ってくるかは未定だな…あっはっはっ!!」


お父さんは笑った。
お母さんも。2人とも嬉しそうにあたしの目の前でいきなり踊り出した。