目の前にあるご馳走はすごくおいしくて…

「ねぇ。お母さん…これどうしたの？めちゃめちゃおいしいんだけどっ！！」


箸を右手に持ったままあたしは問いかけた。


「苗果…実は…」


隣に座ってあたしと同じようにご馳走を食べていたお父さんが口を開いた。


「ん？なに？」


お父さんの表情を見ずにあたしは再び目の前の料理に箸をつけた。


パクっとまたパクっと料理がどんどんあたしの口に吸い込まれていく……


「ほら！あなたっ苗果に言うのよ。」

「…あっ…ああ…。」


そんな会話をお父さんお母さんがしていてもあたしは食べ続けた。

そして一言。


「だからなによぉ！」


と言っても視線は料理。


(あぁっこれもおいしいっ！！)


「苗果…！実は…父さん達な………」


「ん～？」


苗果は気のぬけた声で料理に箸をつけてとった苗果の口に入るまで…あと5…4…3…2……1…


「実は海外に行くんだ！！だからしばらく帰れないから苗果っ！！転校してくれっ！！」


………………………………はぁ……！？


もう目の前で苗果の口に料理が入る寸前にお父さんが馬鹿な事を言うから…おとしてしまった。