「それじゃまたね～苗果～バイト頑張ってねぇ」


学校が終わり友達の友香がそう言った。

「うん！頑張るよっ！じゃあ友香またね★」


うちが貧乏だから少しでも稼がなきゃいけない苗果は毎日毎日、学校が終わると同時に夜まで家の近くのコンビニでバイトをしていた。

バイト先の人たちは優しくていい人ばかりでそこそこ楽しい。

今日も夜１０時までのバイトを終え家に帰宅した。


「ただいまぁ～」


いつもと同じ毎日だと思ったのにこの日は違った。

「あなたっ苗果が帰ってきたわよっ！！」

「おぉっ！！帰ってきたかぁ～！」


玄関のドアを開け靴を脱ごうとしている時にお父さんお母さんの声がした。


遠くでﾄﾞﾀﾄﾞﾀと音が聞こえて……


(…ん？だんだん近づいてくる…？)


ﾄﾞﾀﾄﾞﾀ……ドタドタ！！


お父さんお母さんが笑顔であたしに向かってくる…！！



「なぇかぁぁぁっ！！」

お父さんに続いてお母さん……

「苗果っ！！」


「うわぁっ！ってかなによぉぉ！！２人してっ!!どうしたの！？」


ﾄﾞﾀﾄﾞﾀ走ってきたからかなんか息切れしてる……。