「夏奈が欲しいよ」



あたしはもう、安藤尚のものなのに、そんなこと、今さら言わないで欲しい。

また恥ずかしくなる。

あの修学旅行のときだって、あたしが「恥ずかしい」って言えないくらいだったんだから……





「いい?」



頷くしか、手段はないのに……



懐かしい、安藤尚の温もりは、あたしを安心させて





あたしは意識を手放した──