「だからこれ……」 安藤尚がポケットから出したのは、小さな箱。 2月の空に、よく映える、真っ白な箱。 その箱を受け取って開けてみると、あたしの誕生石のペリドットと思われる、透明な黄緑色をした石をあしらったリングが納まっていた。 「こ…これって…」 「受け取ってくれる?」