「お前、帰ったら一発殴らせろ。」



俺はイライラしていた。

まさか、兄貴が……





「ごめん……」



「安藤尚ぉ?」



夏奈が起きてきた。

俺は無言で電話を切ると、夏奈を抱きしめた。



「へっ?!」



俺のイライラを知らない夏奈は、真っ赤になって静かに抱かれている。





「夏奈、お前はこうやって兄貴にも抱きしめられたのか……?」