「俺は別にいいよ」
さすがの嶋田は、付き合い経験が豊富なのか、余裕の笑みだ。
私は心のなかでニヤリと笑った。
するとふたりは繋いでいた手を離し、
…嶋田が由香の唇にそっと触れるだけのキスをした。
「ヒューヒュー♪ラブラブっすねぇ~見ちゃいましたよ!!」
私が言う前に、どこからか現れた、1年の野山涼介がやってくる。
彼は、嶋田のように学年ではかなり目立つ存在で、
顔もイケメンで、なにより、モテる。
「…は?なんだよ、見てたのかよ、おまえ」
嶋田が涼介を軽く睨む。
「まーまーいいじゃないの♪ってか付き合うことになったの?2人は」
「まぁな、でもお前には関係ないだろ」
「祝福してやってんだろぉ。感謝しろよ。あっ、末吉、こいつ怒るとめっちゃ怖いから~気をつけろよ!笑」
嶋田が涼介の頭をげんこつでグリグリと殴る。