「ねえ、あの人、かっこよくないっ??」
入学式最中、隣に座っていた由香が小声で囁く。
由香の視線を辿る。
「…誰のこと言ってるの?」
「えーと…前から2列目の左から4番目の人!」
ああ、と私は納得したように頷く。
…そうか?
「あ~私、ああゆう人好きだな!!」
「……でもさ…ちょっと怖そうじゃん?」
その、由香の言っている男は、入学式といえど、金髪にツンツンと立てた髪。ピアスをあ
けている…高校1年にはとてもじゃないけど見えない。
ひょっとして…ヤンキー?
そう思い、私はぶるっと身震いをした。
「そうかなあ?」
「そうだよ…気をつけたほうがいいって…」
私たちはまだ中学を卒業したばかり。
まだ高校に馴染めない、…4月。