「ねぇ、待って。」


「待たねぇ。ほら、転ぶぞ。」


なぜか、真っ暗な道を強引に手を引かれて歩く私。


携帯でなにやら話したあと、私の元にやってきた大和。


「ほら、立って。戻るから。」


無理矢理私の体を起こし、外に連れだした。


「どこ行くの?」


「だから、戻るっつってんだろが。」


明らかに機嫌の悪いオーラを放ち、振り向きもせずにどんどん歩いていく。


「信じさせてやる。」


「え?何?」


「黙って歩け。」


有無をも言わせぬ命令口調。

こんなとき、黙ってるのが一番の方法だと知ってるけれど、今は、そんなこと言ってられない。


「やだ!」


思いきり手を振る。

うまく外れた大和の手。