「俺、言ったろ?一緒に住むとき。忘れた?」


忘れてないよ。

きっと、一生忘れない。


「空良の事、俺が守る。」


ポンチョの向こうから聞こえた忘れない言葉。


「ずっと離さない。」


でも……いつかは離れる。


「空良だけのそばにいるから。」


それも今夜まで?


「どこにも行かない。」


私が出ていくから。

繰り返される言葉に心の中で返事を返す。

あの泣いた日からずっとそばにいる大和。


「信じらんない?」


信じてる。

でも、怖い。


「私が言った言葉、覚えてる?」


「もちろん。別れたいときは、隠さずにいう。笑ってさよならしたいから。」


そう。

笑ってさよならしたいから。

もう、さよならで泣きたくないから。