「ねぇ、…………大和?」


「ん?」


あぐらをくみ、自分の場所を決め、私の言葉を待つ。


「おめでと。」


「ありがと。…………で、何が?」


「新しい………彼女。」


あぁ、やっぱり………

そんな顔で天井を仰ぐ。


「で……………妬きもち?」


真顔で聞かれ、私も真顔で答える。


「違う。…………失恋。」


一瞬、彼の目が大きくなり、すぐに閉じられた。


「…………さよなら?」


「違う。」


私の質問に直ぐに返事が返る。


「じゃあ…………なに?」


「ごめん。」


やっぱり直ぐに返事が返る。


「そっか…………わかった。」


何が?

自分で答えたくせに、本当のところは何がわかったのかすらわからない。