息も絶え絶えに、何とか着いた学校



間に合った……



ホッと息を吐こうとした、その瞬間―……


「雫っ!」


あたしを呼ぶ声



「えっ!なんで!?」


そこに立っていたのは、さっき家で別れたお兄ちゃんだった



「これ、忘れ物」



そう言った差しだしてきた、数学のノート


「あっ、ありがと―っ」



全く忘れてた……


よかった―。これ忘れてたら、数学の評価が下がるとこだった……



そう思い、安堵の息を吐いていると


――ギュッ


「ちょっ!お兄ちゃん!!」


抱きしめてきたバカ兄