「じゃあまた明日な」


「……うん。送ってくれてありがとう」



結局何もちゃんと話さないまま、家についてしまった



藤宮は今来た道をまた帰っていった



私はただ、その背中を見つめていた




「ただいま――」



玄関のドアを開けてすぐに目につく、男物の靴と女物の靴。


男物の靴は見覚えのある兄の靴




そして見知らぬもう一足は………