ざわめきだす教室



でも俺にはそんな音さえ聞こえなかった



「先生!姫……じゃない…、佐倉さんはいつアメリカに行くんですか?」


秀哉の声にハッとした



「今日の朝の飛行機でここを発つと言ってたな。」


は?ってことは後もう少しでアメリカに行くって事かよ!?



「おい!!龍!姫、追いかけなくていいのかよ!!」



まだHR中だと言うのに、俺に近づいてきてそう言う秀哉


「………俺は」


……どうすればいいんだ?


「お願い!雫を引き止められるのは藤宮しかいないの!」


「………黒田…。」


黒田も立ち上がってそう言った



「……でもあいつには結城さんが……」



そう。あいつには結城さんが居るんだ……



俺じゃなく、結城さんを選んだのは雫だ。