「おかえり――」


家の玄関のドアを開けると、お兄ちゃんの声が聞こえた


見覚えのない女物の靴


ハイヒールの靴の横に、ローファーを並べて上がる



また女の人来てるのか…



彼女なのかな―……それともまたいつもみたいに遊び?



別にどうでもいいや……



あたしはお兄ちゃんたちが居るリビングには行かずに、部屋に逃げ込んだ



今は誰にも会いたくない



話したくない………


―――――――――……



……ん


あっ、あたし……寝てた??


ボヤけている視界……


もうすでに真っ暗な部屋