「もぉイヤ……私、帰る」


弱々しくそう言って、カバンを持ち立ち上がる



俺の中で危険信号が鳴り響く


『もぉ止めろ』『それ以上泣かせるな!』


そんな言葉が頭の中を駆け巡る



……でも



「ッ!!……ん゙っ!!!」



俺は佐倉の腕を掴み、無理やり唇を奪った



「やッ!…メって……!!」



イヤがる佐倉の腕をさらに強く握る



痛そうに顔を歪めるけど、そんなのに気を使うほど余裕がなかった。



そして軽く開いた口の隙間から、そっと舌を入れた



「ッあ…!!…ゃっ…あ!……―――ック…ヒック…」


俺の頬に感じる佐倉の涙


「あっ……」


俺は腕を掴む手を弛めた