タバコを吸いはじめてから一週間が経った。

慣れたもので、もはや当たり前のように煙を吸い込んでいるのだ。

今ではもう頭がくらくらすることも、煙でむせることもない。

これでは、私はタバコを吸う運命にあったとしか思われない。

自嘲するように口を歪めて、タバコを灰皿に押し付けた。

チリチリといぶされる指先を私はずっと見つめていた。

夏休みまで、ビュネがくるまではもう一週間を切った。

私は大学の試験を全てすっぽかして、早く長い夏休みと洒落込んだ。

今までにこんなことはしたことがなかったが、今までは大学生ではなかったのだから何の

比較にもならない。

私は余計なことを考えるのはやめて、毎日を自堕落に過ごしていた。

日がのぼる頃に寝て、日が沈む頃に目をさまし、夜中はずっと起きていた。

まるでドラキュラだが、随分と性にあっていた。

暇があればビュネや他の仲間と話をして、あっというまに一週間など過ぎていった。

夜行バスで来ると言ったビュネは、七月を跨ぐようにして岡山をたった。