かに玉と話す回数が増えたのに反比例して、彼女はめっきり姿を現さなくなった。
たまに姿を見せても、すぐに消えてしまう。
そのときは忙しいんだろうというくらいにしか思っていなかったが、すでに何らかの兆候が見えていたのだと、後になって気づいた。

ちょうどそれと時期を同じくして、私とビュネの関係も疎遠になっていた。
いつものように。という言葉が当てはまらないほど、お互いの言動や対応が変化していった。
私が挨拶をした、いつもならここでビュネが・・・。
ビュネがこういった、いつもならば私はここで・・・。
その時にあっては気づかないくらいの微妙な変化が、いつしか大きな変化となって、私たちの前に姿を現すのだ。

「好きな人ができたの」

大事な話があると私に告げ、ビュネが最初に切り出したのはそんな言葉だった。