「悠の彼女、どんな子?」


「どんな子………そうだな…一生懸命、かな。」


「一生懸命?」


「仕事も遊びも恋も。楽しいことも悔しいことも我慢することも全部。」


「へぇ。良い子なんだ。」


「笑うのも泣くのもいっつも一生懸命で。」


「じゃあ、今も一生懸命待ってる?」


「……………」


「悠?」


待ってる?

わからないけれど、雅美は、待つことよりも待たないことに一生懸命な気がした。


「そんなに一生懸命だと、重い?」


「重くないさ。切なくて辛くなる。」


「悠?」


「自分のためには一生懸命にならないから。自分の幸せは、みんなが幸せなことだって言うから。」


だから、俺が雅美を幸せにしようと…………