でも……………


「俺、帰るわ。」


「あぁ…………龍。」


「ん?」


履いてきたブーツを手に振り向き、いつものお気楽な笑顔を向けた。


「近いうち、飲もうぜ。」


「おぅ!またな!」


バタン……と閉まったドア。






夕べ、二人でこの部屋を出た時。

何を思って俺の側にいたのだろう。

俺の答えは出ている。

でも、その答えは、届くのだろうか。

あったはずの小さな鉢植え。

あったはずの水玉のマグカップ。

あったはずの大好きな縫いぐるみ。

あったはずの、雅美が大好きな物達。

たった3回のキャンセルがこんなことになるなんて、全く想像しなかった。

自分の心の問題だけだと……