「ぅ・・・っ。」
目が覚めるとアタシは布団の上だった。
あぁ・・そうか。
総司の手紙を読んで・・・。
「起きたか。」
不意に右から声をかけられ首を回すとそこには土方さんが座っている。
「・・・土方さん?」
「お前、腹減ってないか?」
「お腹・・ですか。」
「結局お前は今日一日何も食ってなかったんだぞ。」
そういえば・・。
と、アタシはお腹をさするが減っている気配はない。
「お腹、空いてません。」
「そうか。」
と、土方さんは返したっきり何も話さない。
この沈黙に押しつぶされそうだった。
いつもはこの沈黙でさえ心地よく感じていたのに。
どうして?
こんなにも沈黙を恐れているのだろう。
どうして、総司たちを思い出してしまうのだろう。
そっとアタシは目を瞑る。
目の前に、瞼の裏に近藤さんと総司の笑顔が代わる代わる写る。
目に熱いものが込み上げるのがわかる。
喉が震えるのがわかる。
アタシの周りの空気が震えるのがわかる。
そっとアタシは涙を落とした。
「近藤さ・・そぅ・・じ・・・。」
どれだけ呼ぼうと彼らが帰ってくることはないとわかっているのに。